「んと…赤坂くんに告白されてからね、色んな事があったんだ。」
「おお」
舞田さんのこと。
あれだけたくさん泣いたこと。
七海から朝教えてもらった恋の素敵さ。
「うん。好き。今まで恋愛なんて絶対しない、なんて思ってたけど、そんな意地もねじ曲げちゃうくらい好きになった」
そう言うと彼はふわりと笑って、
「そっ…か。あのさ、頼むから、あいつのこと、嫌いになったら別れてくんね?」
「え?」
「無理に付き合わないで、あいつのこと傷だけはつけて欲しくねえんだ。」
そういうと、静かに下を向いた。
「浮気、とかするタイプじゃねえことくらいはわかってる。でもあいつ…やっと立ち直れたんだ。何があったとかあいつの口から聞くべきだから言えねえけど…崩れ落ちそうだったんだよ」
その時の顔は、本当に泣きそうな顔だった。
「坂枝が救ったんだ。だから、最後まで見捨ててやらねえでほしい。頼む」
そう言うと、彼は頭を下げた。

