「あ…始業式のときクラスの自己紹介いなかったし、わたしのこと知らないよね?わたし麻川七海(アサカワナナミ)。よろしくね」
そう言うと麻川さんは手を伸ばしてきた。
その手を握ると、
「よろしくね。秋穂って呼んで?協力させてください」
そう言うと、少し目を見開く。
「…ほんとに!?ありがとう!!」
そう言うと抱きついてきた。
泣いたり喜んだり忙しい子だな、と思った。
「とにかく、もうすぐ授業だし戻ろう?」
あたしが言うと、
「いや…わたし泣いちゃったしマスカラとか色々落ちてるかも…ちょっと全部落として来ちゃうから秋穂先いってて?あ、わたしの事は七海でいいからね!じゃあ、また後で!」
そう言うと彼女はトイレへかけていった。

