「うん」 「はずかしー」 隆裕くんの髪の毛が当たってくすぐったい。 「俺、やっと向き合える気がする。 今まで言えなかった全部をぶつけてみるわ」 こっちを見る目には見たことのない光が見えていて、 負けてられないな、なんて思うくらいにギラギラしている。 あたしも何か大きな夢見つけよう。 きっと見つかる。大丈夫。 「じゃ、そろそろ」 ゆっくりと頷く。 走っていく後ろ姿。 久しぶりに大きな大きな隆裕の背中を見れた気がする。