隆裕の方を見ると、


驚いた顔をしたあとに、




少しだけ笑って。





「ありがとう。本当にありがとう」







「…わかった。




今日だけで決めれることじゃない。




私も今までお前を見なさすぎた。




今までずっと努力してるのに、何も認めないで、


苦しいときも父親だって言うのに何もわかってられなくてすまなかった。



父親として、全力を尽くす。」






隆裕のお父さん、少し不器用なんだよなあ。




きっと、ものすごく深くて優しいひとのような気がする。




この事をきっかけに、




少しでも隆裕の夢が霞みませんように。





「坂枝さん」




隆裕のお母さんがあたしを呼んだ。