ぐいっ あたしも家の扉へ向かおうとしたとき、ぐいっと引っ張られる。 「え…」 「そんな寂しそうな顔反則ってわからない?」 隆裕くんの声が聞こえる。 なんで顔見えてる、の? その言葉を発する前に唇が重なった。 なんか、なんかいつもより激しい、というか…! まじで息が続かないんですけど…! しばらくして、どちらともなく離れる唇。 「…文化祭の夜さ、うちの家族僕いがい居ないんだ。そんで、その、泊まりに来ない?」 優しい手つきで髪を撫でる彼が言った。