その男子についていくと、 図書室の前。 人っ気一人ないようなところで彼の足は止まった。 「あのさ、坂枝…その…提案があるんだけどさ…」 「はあ、」 としか返しようがない。 なんかぶつぶつ言い、下を向きながら 「付き合わねえ?」 「は?」 こいつはなんなんだ。 「いや…クラス見渡して一番マシっつーか普通にかわいかったのお前だったんだよ、だからその…」 そんなことはどうだって良いという言葉を飲み込んで、 あたしは彼にこう言った。 「あんた誰だよ」