「ねえ、坂枝さん、彼女だからって今更混ざらないよね!?」



苦笑いするあたし。



隆裕くんが前髪に少し表情を隠しながら笑う。




「じゃあ…」



ゆっくりと立ち上がって、




「僕、秋穂を選ぼっかなー」



片手で前髪を分けながら隣に立つ。




「じゃあ、…あたし隆裕くん借ります。」



隆裕くんの腕を握って、バナナを持ってゴールへ向かった。