「いっ…」
氷を当てるとやはり少し染みた。
「まあしばらくは染みるだろうけど、今日中には腫れは引くと思うわよ。敢えて追求はしないけどへんなことあったらすぐ頼れる男子…んー…赤坂くんにでも頼んなさい」
先生は赤坂くんを見ながら言った。
「はい、もちろん僕は相談に乗りますよ」
赤坂はあたしを見て、そう言う。
かなり緩んでる涙腺はほぼ限界だった。
それでもなんとか堪えると、
チャイムが鳴り響いた。
「あーあ、一時間すっぽかしちゃったねー、今日はこれで終わりだし帰るか」
のびをしながら彼は言った。
「じゃ、それぞれクラス戻んなさい」
ていうか…
「今さらだけど、赤坂くんなんであたしの名前…」
聞いてみると、
「あー…それは…ま、いーじゃん?」
返し方下手くそ。
思いながら廊下に出た。

