この時からわかってた。 わかってたけど、気づかないふりして走ってた。 隆裕くんと、あたしの距離に。 苦しい。 息がつまりそうになる。 学校からそれほど遠くもないから走っちゃったけど… 「やっぱ近い、って程でもないんだよね…」 呟いて、呼吸を整える。