「…お前こそ彼女に何やってんの」 原くんの舌打ちが階段だからか大きく響いた。 七海は半泣きの顔で、 「いちいち首突っ込んでくんなよ」 「いいからさっさと七海はなせよ」 冷たく言い放つと 七海から静かに手を離した。 「…こいつ、彼氏いる癖に合コンいきやがってさ」 「そんなことしてないって言ってるじゃん!」 カップルのいざこざか。 七海が一方的に殴られてるとかじゃなくて良かった。 「七海はほんとに行ってないの?原くんはほんとに七海だったか確かめた?」 そう聞くとお互い眉をひそめた。