「はぁー…」 「ため息とか坂枝らしいな」 扉から二人が去っていったのを見てると後ろからそんな声が聞こえた。 「それめっちゃ失礼じゃない?」 「へーへー、そんなかわいげねーの彼氏が失望すっぞ」 ん? 「あ…羽田…?」 「んぁ?」 「隆裕くんが後ろに…」 羽田くんの顔からさあっと血の気がひいた。 「付き合い始めたって教えた瞬間突っかかるんだね、まったく…」 そう言いながら思いっきりしめあげる隆裕くんに、 少し苦笑いした。