よく眠って起きた頃には
もう朝で光が病室に入ってきていた
あんまり外に出てなかったから
回診前の散歩として
ウロウロすることにした
この時間ということもあって
看護師さんも先生たちも
全然いなくって
ゆっくりと散歩をしたい私には
絶好のチャンスだった
やっぱり久しぶりってこともあって
少し歩くと息切れがする
歩いては休んでを繰り返して
中庭に着いた頃には30分ほど経っていた
中庭のベンチにすわって
ゆっくりと時間が経つのを待っていた
そんな時間もつかの間、
すぐに背後から
「ゆずっ!」
という大きな声が耳に届いた
驚いて声の方に振り向くと
すごい剣幕で歩いて来る智がいた
「ゆず!なにしてんの!?」
「えっ、えっと…」
「フラフラ歩き回って
良いと思ってんの?
ただでさえ病み上がりなのに
悪化させたいの?」
「ごめん…なさぃ…」
どうにか涙をこらえて謝った
「龍のとこ帰りたいんだろ?
ゆっくり休んでろよ」
それに気づいたのか
いつもの優しい口調に戻った
「ほんと…ごめんなさぃ…」
「わかったから、な?
病室に戻ろう
ゆっくりで良いから」
「うん…」
ゆっくりゆっくり歩いて
息が上がると休んで…
本当にゆっくりゆっくり
病室にまでたどり着いた

