控えめに開いた扉からは
智の姿が見えて
安心した私は我慢を続けていた咳を
我慢しきれずに放った
その瞬間
仕切りを突破した洪水のように
咳は本格的な発作となり襲いかかった
「ゆず…っ
悪りぃ遅くなった!」
駆け寄ってきた智は
すぐに鞄から吸入を取り出して
私の背中をさすってくれた
「ゆーっくりゆっくりでいいよ
少しでも吸ってね
咳と息止めなくていいよ
焦らないで」
「もう俺いるから大丈夫だよ
ゆっくりだよ
息ちゃんと続けて
体預けていいから
うんゆっくりね」
「ゆずきついけどあと少しね
よくなってきてるから
意識保って!」
「大丈夫だから
焦らないで?安心して」

