周りをすこし見渡すと
今日はすごく空いているみたいで
両手で数えられる位しか
待合室にいる人はいなくて驚いた
そのおかげで
いつもより大分早く呼ばれて
いつもの診察室に入った
診察室に入ると
今朝ぶりにみる龍がいて顔が綻んだ
龍は看護師さんに後は大丈夫って言って
私と2人だけにした
「座って?
説明お疲れ様。体調どう?」
「ありがとう
脈の苦しさはほとんどなくなったよ
だけど、ご飯食べてないから
体力なくて体が重い」
「そっか
発作の方すこし収まって良かった
ちょっと聴診させてね」
自分で服を捲って
診察を受けながらぼーっとしていた
「ゆーず?」
「ん?」
「ちょっと貧血出てるかもね
栄養の点滴と貧血の注射しよ?」
「嫌…だけど頑張る…」
「頑張れ 痛くないように頑張るから」
「ん。」
「あ、それとさ?
明日から大学にいる時間も
少しずつ長くなるからさ
今日からご飯頑張ろ?
無理して食べなくていいから。
あんまり食べないの続くと
拒食症になっちゃうからさ」
「わかった」
「点滴しちゃうから横になろっか
柚眠いでしょ?」
「すこしだけ」
「眠っていいよ
その間に点滴と注射終わらせるからさ」
「ん。」
私をベッドに横にして
龍は点滴を取りに部屋を出た
私はその姿を見つめながら
夢の世界に引き摺り込まれた

