「ちがうっ…ちがうのっ…
りゅぅ出張で仕事だしっ
私入学式あったしっ
龍行った日から熱出るしっ…ハァハァ
体調よくなんないしっ
最近調子良かったしっ…ハァ
明日から始めての大学だし
行きたいしこんなこんな病気でっ
病気のせいで行けないとか
嫌だったしっ…ハァハァ
龍に言ったらまた入院とか
ほんとに嫌だしっ…ハァハァ
だからっハァハァ」
「分かったよわかったから
まず落ち着け」
勢い良く話したせいと
不整脈の発作が段々悪化してるので
重なって過呼吸気味になった
「ハァッハァハァハァ
ハァッハァハァハァッ」
苦しくて苦しくて
龍のスーツの裾を掴んで
どうにか落ち着けようと必死になるけど
どんどん歯止めが効かなくて
焦って焦って呼吸は浅くなって
本格的に過呼吸の発作になった
龍が急いで床にあるカバンから
ビニールを取り出して
私の口に当ててくれて
背中をさすりながら話してくれて
それでも私は治まらない呼吸に
焦って冷静になれなくて
「ゆずっおちつけっ‼︎」
全く耳に入ってなかった龍の声が
少し聞こえて
そこで少し落ち着いてきて
そこから時間はかかったけど
少しづつ呼吸が整ってきた

