ガラっとドアが開いたと同時に、
陵が出てきた。



「司波…」

「皐月に?」

陵が花束を見て言った。



「あ、うん」


「ありがとな。皐月、すっげー喜ぶと思う」

そう言った司波の目は、見たこともないような優しい目をしていた。


「俺、もう行くけどお前はゆっくりしてけ」


そう言って、陵は去っていった。