皐月が入院し、数日経ったある日。


真奈美は花束を持って病室の前まで来ていた。



名前はしっかりと里原皐月と書かれている。

でも、なぜかノックが出来ない。
いったい自分はなぜ来たのか、そこから自問し始めてしまった。


海で陵と話したあの日、陵がなぜそこまで
皐月にこだわるのか、理由が知りたくなった。


どんな人なんだろう。

純粋にそんな想いが沸き上がってきたのだ。