「帰る時、健太からメールが来ててね
今から迎えに行くって。
私はまだへそ曲げてて、すぐ帰りたいから迎えに来なくて大丈夫って返信して……………
そしたら、すぐに行くから待ってて!
ってまた健太からメールが来てたの」
皐月の声が段々と涙声になっているのが
分かった。
「それが最後のやり取りになっちゃった。
健太ね、私の為に急いでたの。
自分も仕事終わりでしんどいのにね。
事故の時に周りにいた人が証言したの。
腕時計を何度も何度も確認して、それで
点滅した信号に行って、それで…………」
少し過呼吸のように、呼吸を繰り返す
皐月をぎゅっと抱きしめた。

