海の向こうに





「ほんとに死んじまうと思ったよ。



怖かった。


こっちが生きた心地しなかったよ」



「ごめんね。
私……」



「俺じゃ力になれない?
皐月はしんどい思いしてても絶対人に言わねーだろ?
言わなきゃ駄目だ。

皐月の力になりたい」



陵は皐月の手を優しく握った。