海の向こうに




あいつ、わざわざ気ぃ使って



そう思うとなんだかおかしくなって笑ってしまう。



「なにー?陵ちゃん、そんな笑って」


「んー?皐月と2人って久しぶりだなあと思ってさ」


陵が皐月を見つめた。



「ごめんね、迷惑かけて」


「だから、気にすんなって。
皐月はもっと人に頼ることを覚えたほうがいいよ」


「うん」


皐月は下を向いて小さな声で呟いた。