海の向こうに



「司波、私ね」

「うん?」

真奈美はドキリとした。
こんなに近くで陵の顔を見たのは
初めてだった。

このまま、時が止まればいいのに。

そう思った。

「私、司波のことが」

そのとき、陵の着信音が鳴った。

陵が急いで携帯を取り出して電話に出た。

「すぐ行く!」

陵は携帯をなおすと、走り出そうとした。