「皐月はさ、俺が小さい頃から、 美人で、頭良くって、俺とは大違い。 ずっと俺の自慢だったんだ」 「うん」 「皐月の笑顔には昔から弱くて、何でも許せた。島を出るときもそう、婚約者を連れてきたときもそう」 陵は頭の中で思い出しているような口振りだった。 「嬉しそうな顔してさ、『陵ちゃん!陵ちゃん!』って。 島を出て、最初に帰ってきたときは衝撃だった。前よりも化粧をして、髪が茶色だったんだ。 もともと綺麗だったけど、もっとパワーアップしてきてさ」