それを聞いたときにはもう陵は走り出していた。 「おい、陵!」 「お前はおばさんを頼む!」 後ろで和樹が叫ぶのも、気にせず病院へと走り出した。 この島には大きい病院は1つだ。 陵はそこめがけて全力で駆けた。 お願いだ、神様。 今までは信じてこなかったけど、もしいるなら皐月をどうか助けて。 陵はそう願った。