和樹と2人で帰っているときだった。

いつもの堤防が見えてきた。

「なあ、今日帰ったら遊ぼー」

「悪りぃ、俺ちょっと皐月に用事が」

そう言ったときだった。

「あれ、お前んとこのおばさんじゃねーか?」

「あ、本当だ。なんだろ」

前から和樹の母親が走ってくる。
「和樹!陵!大変なの!皐月ちゃんがね!」

「皐月がどうしたんすか!?」

「階段から落ちて、意識不明で病院に運び込まれたの!」

和樹の母親は青い顔をして、和樹と陵の腕にしがみついた。