「皐月が帰って来るときだけ、早く登校するのも、クラスメートが皐月の名前を口にしたら決まって不機嫌になるのも、やめてくれる?」

和樹がニヤリと陵を見た。


「ばっ、お前!」

「じゃ、そーゆことで~」

和樹は真っ赤になった陵の顔を見て、ヒラヒラと手を振って歩き出す。


「待てよ!おい!和樹!」

陵は急いで和樹のもとへと、走り出した。