「皐月」







すると、綺麗な黒髪がサラリと動いてゆっくりと振り返った。



「陵ちゃん」


振り返った皐月はいつもと変わらない笑顔で、少し安心した。


「こんなとこで何してんだよ」


「海を、見に来たの」

そう言うと、海の向こうを見つめた。