海の向こうに



1限目の休み時間に廊下に人だかりが出来た。


「なんだ?」


和樹が真奈美に聞いた。


「分からないの!何かあったのかな」


真奈美がそう言ったときだった。



「司波君いる?」


恥ずかしそうな小さな声が聞こえた。


教室のドアからひょいっと頭を出したのは皐月だった。