海の向こうに



それを聞くと、大畑がびっくりしたようにクラスメイトを見た。



「皐月さんのこと知ってるの?」


「そりゃそうだろ!あんなに美人なんだぜ!?もう学校で受け継がれる話だよ」


「へぇー」


「お前もまあ美人だけどなあ~。里原皐月には負けるよな。ありゃ、この島の天然記念物だ」


「おら、どけ」

皐月を力説しているクラスメイトをカバンで押しのけると、陵は席に座った。



「おはよう」

今登校してきた、和樹が陵の席までやって来た。