海の向こうに


「また明日」


陵はそう言うと、皐月が家に入るのを見てから歩き始めた。



「陵!」


後ろから、和樹が駆けてきた。


「皐月は?」


「もう家に入ったよ」


「そう。どれくらいいられるって?」


「3週間ぐらいだってよ」

陵がそう言うと、和樹が笑った。


「そっか。長いじゃん。よかったな」

和樹が陵の肩に手を置いた。


「意味わかんねーんだけど」


「好きなんだろ。皐月のこと」


陵は、玄関の扉に手をかけた。


「あいつはずっと1人しか見てないよ」


そう言うと、「じゃあな」と言って家に入って行った。



「お前もずっと1人しか見てないだろうが」


和樹が1人でに呟いた。