「陵ちゃーーーん!!」


遠くでそう聞こえた。


「まさか」

陵が周りを見渡した。

すると、向こうから走ってくる女の人がいた。

手を振りながら、近づいてくる。


「久しぶり!」

「皐月!?いつ帰って来たんだよ?」

「ついさっき。みんなに知らせちゃうと面白くないかなあと思って」


皐月は大きな目をきゅっと細めて笑った。