「ねえ、笠原」 真奈美はすぐ陵の近くの席の和樹に話しかけた 。 「うん?」 「何で陵ちゃんって呼ばれるのが、あんなに嫌なわけ?」 そう言うと、和樹は困ったように笑った。 「あいつにとって特別だからね。その呼び名」 「特別?彼女でもいるの?」 真奈美は眉をひそめた。 でも、さすが陵に言い寄っている女子なだけある。 学校一の美人と言われる顔は、眉をひそめても美人だ。