千年樹


* * *


「まったく…、手の掛かる奴らだ」


 ふぅ、とため息を尽きながら、独白《どくはく》をはく。

 だがその声音には、微かな嬉しさが混ざっている。


 隠しきれない高揚感。
 口元はにんまりと孤を描いている。



 待っていたのだ、長い間。

 そして、ようやくこの時が来たのだ。


 高揚しないわけがない。


「早く、“逢いたい”…ねぇ」


 小さく呟くと、“彼女”はすっと遠い目をした。


 それはまるで、何かを懐かしむように、慈しむかのように、そして心配するかのように、“彼女”は目を細めたのだ。




 ――リン。と、鈴が鳴る。



 ――ざぁ。と風がざわめく。