「この町は小さいけれど、綺麗だ」


「うん。他の町も、凄いいい所があるけれど」


私は、都会を知らない。


だからこそ、この町が大好き。


再び目が合う。


そしてまたキスをした。




私は秦の隣にこれからも、いたい。



「結衣……」


「ん?」


「これから高校へ行っても、社会に出ても、ずっと側に居ろよ」


「当たり前でしょ! 秦が、好きなんだもん。
 この気持ちが、変わることなんてないんだから」


「俺さ……。葵って奴に、よく嫉妬してた。
 だって俺より先に、好きになった奴なんだろう?」


「……うん……」


「だから、凄ぇ嫉妬。
 葵! 今は、結衣は俺のだからなー―――!」


この町に向かって叫ぶ。


そんな様子を見ていると、思わず笑ってしまった。