恋の華が舞う季節

「……幸せって、そんなに簡単なの?」


「え?」


「私がいるだけで、幸せなんてあり得ないよ。
 秦がね、勘違いしているだけなんだよ」


「――違う」


秦は真剣に私を見つめる。


「……俺は、お前に初めてあの公園で会った時、きっと一目惚れだったんだ。
 最初に会った時から、ずっと想ってる。
 好きだ! お前がいるだけで、俺は、幸せになれるんだ!!」




こんなにも――


好きでいてくれてる。


突き放して、傷つけて、苦しんだはずなのに。


それでもなお、温かい何かを、秦は、私にくれる。