恋の華が舞う季節

恥ずかしい。


本当に。


言い表しようの無いくらいの、恥ずかしさが私を襲う。


葵は、いきなり、私に抱きつく。


――?!


放心状態と、恥ずかしさが入り混じり、今の気持ちはごちゃごちゃだ。



「僕も、好きだから」



本……当に?



その言葉が、たまらなく嬉しい。


葵は、抱き寄せた手をゆっくりと離し、私と向き合う。


「ずっと、好きだったよ。
 でも、伝えられなかった。好きだったから、言えなかった。
 結衣ちゃんを、困らせてしまいそうだったから」


「そんな事無い! 私……私だって……葵が好きだから」


最後の方は、小声になる。



「私なんかで、いいの? 葵の隣にて、いいの?」



葵ははにかんだ笑顔で、


「結衣ちゃんが、いいんだ」