恋の華が舞う季節

「――え! 何々~?! 結衣って葵君の事好きなの?!」


他の女子も、探るような目で私を見つめる。


「早かれ遅かれ、どうせバレるよ。言っておいた方が、いいって」


そう追い討ちをかけるかのように、蜜柑は、小声で言う。




でも私は答えられない。



だって自分の気持ちが、分からなくなってるから。


中途半端な気持ちで、好きって言っていいのかな?


みんなは、真剣そのもの。

言ってしまって良いのかな……。


私はまわりに集まってきた、みんなを見ながら、


「あのね――私は……葵の事は、凄く気になるんだ。
 さりげないことに、ドキドキしたり、時々見せる真剣な顔。
 意識して、意識して、心が葵に向いてるの。

 でも、まだ自分の気持ちが!!」


口ごもる。