恋の華が舞う季節

何分が経っただろう。



私達は見つめ合ったままの状態が続いたけれど、この沈黙を破ったのは、葵の一言。



「もう、日が暮れてる」


空を見上げると、夜空には満天の星。


時間が経つのは、早い。


「うん……。じゃあ、帰るね」


「こんな夜だし、おくるよ」


「え……。ってか、家……隣じゃん」


「あ! そうだった……」



本当に……


「あははは!」


“天然”だなぁ――


「え?! 何が面白かったの??」



気付いていないところがまた、葵らしい。



「ま! 有り難う!! じゃあね」


「? じゃあ……!!」



私達はそれぞれの家に帰って行く。



家に入ると、お母さんに色々言われたけれど、曖昧な返事を繰り返す。



心は――
あの時の感情でいっぱいだった。



ウザいと思っていたのに……
嫌だったのに……




――顔が赤くなるのは、どうして?



凄く、朝が待ち遠しくてたまらない。