恋の華が舞う季節

それは同時に深い恋の始まり。

「じゃ、蜜柑! 学校行こう?」


「え……?」


こういう時、冷静でいられれるのは、何でだろう。

フってしまった相手がいるのに。



「結衣? ……その指輪!!」


「ああ、これ」


光が反射して、指輪が光る。



「まだ、持ってたの……?」

蜜柑が私の指輪を不安そうに見ていた。


蜜柑の気持ちが分かる。


だけど……その気持ちを業と気づかないように振舞う。

馬鹿だね、私。


「私……。もう、恋なんかしないから」


その言葉が桜の花びらと一緒に、散ってゆく。