恋の華が舞う季節

「私ね、この手紙もらう前から、秦が結衣の事好きだって気付いてたよ」



「え……」



「それでも、離せなかったのは……好きだったの。

 でも、私は結衣の存在を消せなかった……。
 どんなにしても――」



何かから、忘れようとするかのように、蜜柑は私に喋っている。


きっと、蜜柑も苦しんだんだ……。



今まで、気付かなかった。



「お願い……。
 
 秦を、もう一度好きになって?
 
 こんな事、頼んでいいか分からない。
 だけど。

 秦の運命の相手は――結衣なんだよ?!」





心の中は……



秦がいる。


でも、今、愛さなければいけない相手は樹だよね。




気持ちが、矛盾する。