恋の華が舞う季節

取り繕ったような笑顔を無理やり見せた。


でも心は複雑。


蜜柑が否定すればするほど、何かがありそうな気がして、嫌だった。


「結衣! 俺はお前だけだから」

その言葉に動揺していたのが嘘の様に和らいでく。


そして私は今度は目を合わせながら、秦へと近づいた。


「はっきり言う。私――」


惹かれているのは確か。

けれどその気持ちは重い。


だからこそ――言わないといけない。


相手を傷つけても、苦しめても、大切なものが私の心にはあるの。




「私は……秦の事、好きじゃない。はっきり言って迷惑なの」





春の桜の花弁が、ヒラヒラと舞い落ちる中、ただ3人が、それぞれ動き始めた瞬間だった。