恋の華が舞う季節

すっかり濡れてしまった制服に、樹が学ランを被せてくれた。


「有り難う……」


「いや、別に……」


顔を隠しながらぶっきらぼうに言う姿は、本当に恋愛初心者だ。



いけないと思いつつも、また可愛いと思ってしまう。


「何だよ……。 
 今日は恥ずかしい事言い過ぎて、焼け死にそうだ!!
 悪いかよ?!」



「悪くないけど」