恋の華が舞う季節

「そうだ。
 結衣は、そこらの女子よりも、数倍綺麗だ。

 だけど人よりも、繊細で、気になる事があるとすぐにそれを抱えてしまう。
 それがこんな結果を引き起こしてしまったんだろうな……」


「さっきから、早瀬の事自分の所有物のように語ってるけど、実際付き合ってるわけでもないんだから、凄く癪だ」


「うるさい。
 お前だって、何か結衣に言われたわけじゃないんだろ?」


「ああ」



「なら!」



「お前さ、相手の事本当に想ってるのなら、ずかずかその人の感情まで自分のものにしようとするんだな」



「俺は!」




私……。


私は――



何でかな。


涙が止まらない。