恋の華が舞う季節

出て行った後、私は2人には悪いと思いつつも、追いかけた。


そっと、見つからないように。


2人は廊下のナースステーションに面した廊下で止まる。



「いきなり、質問するけど!
 お前……結衣の事どう思ってるんだよ?」


「まだ分からない。
 だけど気になる。

 それに早瀬はどことなく、ほっておけない。
 いつも足場が無い場所に行って、フラついてる様に見えたから……」



「それって、好きだって事だろ?」


「まぁ……多分、今後そうなると思う。
 今でも、凄く心配で気になるし」



「は? そんな曖昧な態度で、結衣に近づけるとか思ってるんじゃないだろうな?!」




いきなり険悪なムード。


心配で付いてきたのに、こんな展開になるなんて、思ってもいなかった。


どうしよう。



「でも、君が早瀬を傷つけたんじゃない?
 そんな奴に、どうこう言われる筋合いはない」


ぐっと唇をかみ締める秦。


見ていると、あの日言われたことが、思い出してしまう。