恋の華が舞う季節

「俺はこの前、階段を下りながら泣いている早瀬に会っただけだよ」


「は? 
 “会っただけ”とか言いながら、ここに来ているのは何か、違う意味があるんじゃねぇか?」



――な!


何言ってるのよ……。



「俺が、今、その事を今、ここで語ってもいいの?」


「……ここから出ようぜ」


「ああ」


2人は私を一瞬見て、踵を返しそのまま病室から出て行った。



直感で、嫌な予感がした。