恋の華が舞う季節

風が一瞬吹き抜ける。


「答えを探さずに、逃げてしまうのは簡単だよ。
 でもね、見つけれて、乗り越えられたらこれ程幸せな事は無いと思うよ」


「葵!」



光が差し込む。


「早く、帰りなよ! みんなが、待ってるから」


「恐い」


「結衣ちゃんは、独りじゃない……。
 僕もいるし、結衣ちゃんの事想ってくれてる人だっている。家族も――いるんだから」



その言葉を聞いてすぐさま私は走り出した。


葵の言葉はいつだって背中を押してくれる。


誰よりも優しくて、迷いが無い。


そんな貴方が、好きです。



今でも、思い出になんか私だって出来ないよ。



秦に前、『こんな事もあったな”て、思い出の1つになれるから――』なんて言ったけど、私にだって思い出に出来てないじゃない。




もしも……


もしも……



願いが叶うのなら今度こそ、迷いたくない。