恋の華が舞う季節

「それが、本心?」


「え……」


「僕は、結衣ちゃんの事、ずっと忘れた事なんか無かった。
 あんなに無邪気に好きになれたのは、結衣ちゃんがいつも、傍に居てくれて隣に居てくれたからこそ、幸せだったんだ。

 だから――きっと……
 結衣ちゃんの事、本気で想ってくれる人なら、きっと結衣ちゃんを、思い出になんか、出来ない。


 ずっと、想っていられるんだ!!」


――もしかして……



私は男の子の顔を、はっきりと見つめると、そこにいたのは――葵だった。


「どうして? 私なんか、ほっといてくれてもいいのに!!」



「ほっとけないよ。
 結衣ちゃんが――好きだから」



「ねぇ、好きなのに、こんなにも辛いのってどうしてなの?」




葵は優しく私に微笑む。



「結衣ちゃん自身が、その答えを、見つけなよ。

 本当に心から愛している人なら――きっと、分かるから」