恋の華が舞う季節



* * *


真っ暗だ。



あたり一面、何も見えない。光も無い。




『早瀬さん! 早瀬さん!!』



――誰?


遠い遠い後ろの方から、声がする。


振り向けば、きっとその声の方へ行けるだろう。


でも……



ここから動けない。


いや、動きたくないんだよ。