【あこSIDE】


なぜか今あたしはドーナツ屋さんにいます。

それも、有原くんと…




いや、あたしが決めたんですけどね。





しかも、あたしまたやらかしちゃったみたい‼




有原くんへのおわびなのにあたしが全部決めちゃったよーー!





有原くん、甘いものニガテみたいだし






あぁぁぁー、もうどうしよー!


絶対怒ってるぅー!







「クックッ…。フッ、ハハハハッハッ」






って…、笑ってる?





「はぁー…お前、おもしろいな。」



「ホントすいません!あたし、こういうとこあるんです…。」





「こういうとこって?」





「なんかいつも1人でつっぱしって、自分中心になって…。

よくマイペースすぎるって呆れられるんです…。」




はぁー….ホントだめだなぁ。






「へぇー。自覚はあるんだ?」



一応あるけど…って…ひどくない⁉






まあ、ホントのことなんだけどね。





「でも、俺はいいと思うよ。」





そう言って笑う有原くんに思わず見とれてしまった。





こんな整った顔してたらそりゃモテるわ。





「マイペースなのがあんたのいいところなんだと思うけど。」





なんか来るもの拒まずって聞いて怖いイメージあったけど、優しいなぁ。




「そんなこと言ってくれる人、有原くんだけです!」





そう笑顔で言うと、有原くんが




「ッ…お前、そういうこと誰にでも言うわけ?」









…?どういう意味?





ってか、さっきから






「あんたとかお前とかやめてください!
あたしにはちゃんと"あこ"っていう名前があるんですぅ。」








あ、強く言いすぎた…?







「ふーん…。じゃあ…あこ」



なんて笑顔で言うもんだから、キュンとしてしまったじゃないかぁ。






その後いっぱいドーナツを食べて、



「じゃあ、そろそろ出ますか。」





「そうだな。出るか。」






そう言ってあたしはレジに向かったんだけど……。



はっ!






「あぁぁぁー!」


「ん?どした?」



と覗きこんで言う有原くん。




「ごめんなさいぃ。お金がないです…。50円しか…。」






「ぶっ…!はははっ!50円って、あこがおごるんじゃなかったのかよ。」






ホント申し訳ないデス…。




「まあ、もとから俺が払うつもりだったしな…。」




「明日、返します!」





「いーから。」





そんなこんなありつつ、あたしと有原くんは、あたしの家の前にいた。


1人で帰れるって言ってるのに




『女の子、1人で帰らせられるわけないだろ。』





そんなかっこいいこと言うもんだから、結局送ってもらってしまった…。





「じゃあ、またな。」




「うん!またねー。」



帰って行く有原くんをみながら、なんか離れたくないなーなんて思ってしまった…






ーその日の夜



有原くんの笑顔を思い出して、なかなか寝れなかった。



早く明日になって、会いたいなぁー



ってあたし、何考えてんの!










なんて、もんもんとしながら一夜はふけていったのでした…(笑)