放課後、俺は家に帰ろうとバス停にいた


え?約束…?


行かねえよ、面倒くせえ






ブォォォーー…






そこにバスがきた。乗りこもうとした瞬間、あいつのことを思いだした。







もしかしてまだ教室で待ってるのかも…



いや、ねえよな?









ー20分後…


俺は学校にいた。


いや、あいつのためじゃない。

忘れ物しただけだ。




って、俺は誰に言い訳してんだ…。



もう終礼が終わってから1時間たっている


さすがにもう帰ってるだろ。





そう思いつつ、あいつの教室に向かった




教室の扉を開けると、そこには…




「おそいです!待ってたんですよ?」






え…?

まだ、いたのか?



「悪い。ちょっと用事があって…。」



俺がそう言うと、





「有原くんは絶対来てくれると思ってましたよ?」





と、ニッコリ笑いながら言う姿に俺は柄にもなくドキッとしてしまった。





変なやつ…。



まぁ、みことの親友の時点で変わってるけど。





「じゃあ、どこ行きましょうか?あっ、
駅前の新しいドーナツ屋さんでいいですよね!あそこおいしーって評判なんですよ!」






俺が口をはさむ間もなく決めてしまった

ホント、自由な女だな…。



俺、甘いもん食えねぇんだけど…。





でも、目の前で嬉しそうに笑う姿を見たらそんなことどうでもよくなってくる。










そんなこんなでドーナツ屋についた。



そこにはいろんな種類のドーナツが並べてあって、好きなものをトレイに乗せるみたいなんだけど…。




こいつ…。



乗せすぎじゃねぇか⁉




トレイの上にはすきまがないくらいのたくさんのドーナツが乗っている。





「〜〜〜♪〜〜♫」




鼻歌を歌いながら、楽しそうに選んでいる。




フッ…。

何がそんなに楽しいんだ?

おもしろいやつだな。




というか、この小っさくて細いからだにホントにこんなに入るのか⁉





2人用の席に向かい合って座る。大量のドーナツの前に俺の席にはコーヒーだけ。






「えっ!それだけ?あっ、ドーナツ嫌いだった?えっ?どうしよぅ。これ有原くんへのおわびだったよね⁉」





「クックッ…。フッ、ハハハハッハッ」




「焦りすぎだろ。てか、今気づいたのかよ。」







はぁー…久しぶりにこんなに笑ったな。