みことに連れられて、屋上にやってきた。


「ねぇ、あこ…。あたしがあこと拓斗の変化に気づかないわけないでしょ。」


「……」


「あこから話してくれるのを待ってたんだよ?でも、あこが泣いてるのにほっとけるわけないでしょ!」


「ごめん。」

「謝るんじゃなくて話して。」

「分かった…。」




ーそれから、みことに全部話した。

みことが休んでいる日に女の子達に呼び出されたこと。

拓斗が助けてくれた後、もう仲良くするなって言われたこと…。



みことはあたしの頭をなでながら聞いてくれた。



「…まあ、これで全部かな…?」

「何っそれっ⁉拓斗ありえない‼」


「拓斗は悪くない‼あたしが迷惑かれたのが悪いの!!!」


拓斗を悪く言わないで…。


「あこは悪くないから。でも拓斗がなんでそう言ったか分かったかも…。」

やっぱり…


「あたしが面倒だからでしょ?」

「だからぁ、それは違うの!あんたほんとに拓斗がそう思ってたと思うの?」


それは……


「あこはそんな最低な奴を好きになったわけ?あたしの兄はいい人とは言えないけど、そんな奴じゃないと思う。」


あたしが見てきた拓斗はそんな人じゃない…。




優しくて、ちょっと意地悪で、でもちゃんとあたしのつまらない話を聞いてくれて…。








「分かった?拓斗がそう言ったのは本心じゃないと思うよ?てか絶対そう!」


「そう…かな…?」


「だてに16年双子やってないから!あたしを信じなさーい!」


ドンと胸を叩いて自信満々なみことがおかしくて笑ってしまった。


「よかった…。」

みことがホッとしたようにそう言った。


「何がよかったの?」

「あこがやっとちゃんと笑ってくれたからさ!」


え…?

「あたし、結構笑ってなかった?」


「あたしはあこの親友だよ?ちゃんと笑ってないことくらい気づくに決まってんじゃん!」



「みことぉ〜〜〜!大好きぃ〜‼」

「はいはい、知ってる。」



ほんとにありがとね、みこと!